イラスト 入り口に燃料の材木を配置し、いよいよ炭焼きの準備ができました。
写真


イラスト 入り口の上を壁で塞ぎます。これで、火の通り道が完成しました。
イラスト 火を入れます。
図のように外から火をつけていきます。
火は矢印のように窯の内部に入っていきます。

写真 外からどんどん燃料の材木を追加し、火をたやさないようにします。約一昼夜、この作業を続けます。
窯の前にあるいろりで、徹夜で火の番をします。


イラスト 外からの燃料の供給を止めます。
窯の中の材木は既に着火しているので、自分で燃焼し、炭になっていきます。
黒炭は、およそ500℃で炭化を終えますが、炭化の終わりに「ねらし」を行います。黒炭窯での「ねらし」とは、炭化が終わりに近づき、青煙が少なくなるころ、煙道口をせばめる事によって、高温処理が行われる事です。煙道口をせばめたままにして、数時間経過すると、窯天井部の温度が下がる(天井部の炭材が灰になるのを防ぐ)と共に、窯底の温度が高くなり、木炭の揮発分は分解してガス化します。そのガスが燃える事によって、窯の温度を維持し、最終的には800℃で加熱されます。
「ねらし」という高温処理を行う事によって、よく炭化された不純物の少ない炭ができます。燃焼が完了するまで約一週間、じっくり時間をかけて炭化を行う事により、木酢液等の収量も多くなります。


イラスト 燃焼が完了後、入り口下側にも壁(煙道口もふさぐ)をして、酸素の供給を止めます。ここからすこしずつ中の炭が冷却されていきます。これを窯内消火法といいます。
炭が冷え切るまで、さらに約1週間かかります。
燃焼で1週間。冷却で1週間。
炭が焼きあがるまで、約2週間の時間がかかります。
昔ながらの窯で焼いた炭は希少な炭なのです。